2024年6月24日、空間コンピュータこと「Apple Vision Pro」国内発売。
ガジェット好きとしては見逃せない!ということで、さっそく筆者も入手した。
2月の米国発売後に海外版の輸入も検討していたが、値段が値段だけにサイズや保証、視力の問題を考え、一旦保留に。日本発売に合わせ、予約・購入を行ったので、ファーストインプレッションを記していく。
なお、筆者はVRやAR製品は店頭体験程度でほぼ未経験であり、他社製品との比較レビューはできないので悪しからず。
開封とか
本体と視力矯正用のZEISS Optical Insertsを同時購入。
512GBモデルを選択したので、総額659,600円。ずっと前からApple Glass(仮)用の貯金は作ってたけど、それでもポチるのに勇気が要る値段だ。
本体がお目見え。
さすがに布の質感は高級さを感じる。
バッテリーとケーブル・ACアダプタ・説明書類も同梱されている。
いざ装着も、さっそく問題発生
ZEISS Optical Insertsを取り付けて、装着しようと思うも、さっそく問題が発生。
頭を後ろから支えるバンド(ソロニットバンド)のサイズが小さすぎて、頭が入らない!!
注文時、iPhoneのTrue Depthカメラで計測した値は“S”だったのでそのまま注文したのに…。ちなみに2月に測った時は“M”が出たので、こっちの方が正確だったのかも(今回は2回試して2回ともS)。
仕方がないので、違うタイプのバンド(デュアルループバンド)を試したら、こちらはちゃんとフィットした。
ファーストインプレッション
事前のレビューもほとんど読まずに我慢していたので、本当に初見といったところ。
知らなかったのだが、バッテリーパックへの接続は必須なんですね。どうりで被っても電源が入らないはずだ。
感想①:重すぎる
最初の感想は「重すぎる!!」だった。
というか、本体を手に持っただけで“ずっしり”だったので、頭に装着したらなおさら重量を感じる。
感想②:画質は良いが感動はない
この手の製品でありがちな“画面のドット感”はほぼなく、画質は良い。
ビデオシースルーに関しては「まあ、こんなものか~」といった具合で、特段感動はしなかった。
辛うじて文字は読めるが、このままPC作業とかは厳しい。
画面の端のほうは、ややぼやけた感じ。ただし、むしろ自然な没入感を生み出す工夫であるとも聞いたことがあるので、一概にBad Pointではなさそう。
視野角に関しては、既存の他社製HMDよりは狭め。
感想③:操作はすぐに習得できた
Apple Vision Proは、基本的に視線とハンドジェスチャーで操作する。
コントロールの方法はチュートリアルですぐに習得できた。
精度は抜群で、これはAppleの凄まじい技術力を体感した部分だ。
「コンテンツ消費デバイス」なのだが…。
筆者は「Apple Vision Proは、動画やVR等のコンテンツを楽しむ消費デバイス」だと思い、購入した。実機を体験した後も、その印象は覆らなかった。
操作方法が視線と手の動き、音声に限られる以上、クリエイティブな作業に不向きことは言うまでもない。
物理キーボードやマウス(visionOS 2で対応予定)の接続である程度解消される部分ではある。しかしながら、それはマイナスが0になっただけであり、「目の前のパソコン以上の体験」は現段階では厳しいと感じた。
では、想定していた「消費デバイス」してはどうなのだろうか。
結論、“まだまだ難あり”だと思う。
先に述べたが、とにかく本体が重すぎて、コンテンツに集中できないのだ。
確かに、動画を大画面・大迫力で見れるのは他に代え難い体験なのだが、それ以上に“重量の不快感”が勝ってしまった。
画質的にも劣るので、結局「普通の4Kモニターかプロジェクターの方がよっぽど良い」という結論に至りそうだ。
VR/ARコンテンツは確かに凄い!
一般的な動画等の映像はデメリットが上回ったが、3Dコンテンツの体験は確かな価値を感じた。
Apple Vision Proには「恐竜たちとの遭遇」というアプリがプリインストールされている。立体映像が見られるアプリなのだが、その没入感には本当に感動した。
空間的な音も相まってイマーシブさが増し、「これぞイメージしていたVR」だ。
他にもいくつかのApple Visionネイティブ対応アプリを試したが、どれも想像以上のクオリティで新鮮な体験ができた。
VR/AR機としては、我々消費者の期待を十分に超えるパフォーマンスを叩き出している。
まとめ:未来へのスタート地点を感じるデバイス
Apple Vision Proを数時間ほど体験して、「Appleの考える“コンテンツの新たな形へのスタート地点”」を感じた。
パソコンやスマホで見ていた動画がApple Vision Proで快適に見れないのはある意味必然で、それらが既存デバイスでの視聴を前提としているからである。
現時点では、Apple Vision Proの真価を発揮できるサービスがあまりにも不足しているので、ネガティブな感想が先行してしまった。数年後~数十年後に訪れる普及期になればデバイス自体の小型化・軽量化も進み、ハード/ソフトの両面でコンテンツを楽しむための環境が整うと考えられる。
スマホ黎明期に、多くのWebサイトがデスクトップ版のUIしか提供していなかったのと同じで、新たなカタチへの対応は時間が解決してくれるだろう。
まだまだイノベーター・アーリーアダプターのおもちゃの域を出ないApple Vision Proだったが、未来へのスタート地点を感じられただけでも、60万円を超える投資の価値はあったと思う。
(この記事はWindows PCで書いてます(*ノω・*)テヘ)
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