コアなオーディオファンの間ではお馴染みなのがUSB-DAC(USB Digital-Analog Converter)だ。
“音質向上アイテム”として名前を聞いたことはあるが「イマイチ正体が分からず手を出せていない」という方も多いだろう。
最近PCオーディオ環境の改善に着手した筆者もその一人であり、購入前は「本当に意味あるの?」と懐疑的だった。
結論から述べると、今回入手した「SHANLING UA4」は1万円台でありながら、確かな音質向上効果を感じられた。
本記事では、先日購入したヘッドホン「AKG N9 Hybrid」を用いながら、使用感をレビューする。
開封 & 本体をチェック!
「SHANLING UA4」はSHANLING(シャンリン)という中国のオーディオメーカーのUSB-DACだ。
AliExpressのセールにて77.49ドルで購入。国内でも正式に販売されており、各ECサイトでは1万円台後半で取り扱いあり。
なお、日本ではシルバー/チタニウムの2色展開となっている。
付属品
付属品は、本体とUSB-Cケーブル・A to C変換・説明書類が同梱されている。
パソコンはもちろん、USB-C端子を搭載したAndroidスマホやiPhone 15以降でも使用可能。
外観・デザイン
最も一般的な3.5mmのほか、4.4mmバランス接続にも対応する。
側面のボタンで各種設定や曲送り、音量調整、画面のオンオフ等が可能。
DAC側音量とデバイス音量の双方をコントロールできるのが、個人的に良いと思った。
本体に小型の有機ELパネルを搭載しており、現在の設定値を確認できるのがポイントだ。
直感的な操作体系やレスポンスは非常に良く、不満は無い。
音質はどう変わる?
さて、気になるのが「どのように音質が良くなるか?」という点だろう。
自作PCのマザーボード(H570 Steel Legend)のオンボードサウンドと、SHANLING UA4の双方に繋いで違いを比較した。(前者はRealtek ALC897というサウンドチップ、後者はES9069Qを搭載しているらしい。)
オンボードサウンド | SHANLING UA4 |
---|---|
やや刺激的なサウンド | 全体的にソフトなサウンド |
ザラザラ感のある音 | より繊細な音 |
疲れを感じる高音域の女性ボーカル | 小さめだが柔らかいボーカル |
広がりに欠ける楽器の音 | 包みこまれるような楽器の音 |
消えがちな息の音 | 息遣いまで良く聞こえる |
低音量時のノイズが気になる | 低減されたノイズ |
いずれも相対的なものではあるが、上記のような違いをはっきりと感じられた。
総じてよりソフトになり、包みこまれるような聞きやすいサウンドだ。ヘッドホン「AKG N9 Hybrid」の特徴であるボーカルの刺激が弱くなり、長時間の聴取でも疲れを感じづらくなった。
低音~高音まで特に“ここが強調されている”という音域はなく、ある意味万能型のフラットな音という印象。もちろん出力デバイスに依るところも大きいので、DAC側で設定できるPCMフィルタで適宜調整するのが良いだろう。
まとめ:DAC初心者でも買ってよかった
「SHANLING UA4」を使用して、確かな音質の向上を実感できた。
小型ながら使い勝手を犠牲にしておらず、外付けUSB-DACの入門機としておすすめできる製品と言えるだろう。
オーディオ改善の第一歩目を踏み出したい方は、是非お試しあれ。
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