デザイン性の高いセンサーモニターを作れるソフト『AIDA64』。高機能だが独特の設定しづらさがあり難解だ。本記事では、使い方や「センサーパネル」の作り方を徹底解説する。
<AIDA64関連>
やりたいこと
自作PCのケース内ディスプレイで、CPU温度等の情報をモニタリングしたい。
完成図はこんな感じだ。
ダウンロード先
「AIDA64 Extreme」を導入する。以下のリンクからダウンロードできる。
本ソフトは有料だが、30日間の試用期間がある。一部数値は非表示となるが、確認してから購入しよう。
なお、ライセンスは3年で1万円以上と高額。安く買う方法は以下の記事に掲載している。
日本語化
AIDA64は日本語に対応している。英語表記になっている場合は、変更しておく。
左上のメニューから設定を開ける。
アルファベット順で言語が並んでいるので、「Japanese」を選択する。
センサーパネルの有効化
日本語化と同様の手順で設定画面を開き、「SensorPanel」に移動。
- Show SensorPanel … センサーパネルを表示
- Keep SensorPanel the topmost window … 常に前面に表示
- Prevent SensorPanel from being minimized … 最小化の防止
- Lock panel position … パネル位置の固定
- Lock panel size … 大きさの固定
- Enable context menu … 右クリックメニューの有効化
サブモニターで使用する場合は、全てオンで良い。
「Show SensorPanel」にチェックを入れると、画像のようなパネルが表示される。
このままでは味気ないので、カスタマイズを行う。
センサーパネルのカスタマイズ
大きさの設定
はじめに、パネルの大きさを決めておく。
サブモニターに合わせ800×480にした。背景色と透明度はお好みで。
なお、使用するモニターは以下の製品だ。
パネルマネージャーの使い方
表示内容の変更は「SensorPanel Maneger」で行う。
センサーパネルを右クリックし「SensorPanel Maneger」をクリック。右クリックが効かない場合は、設定に戻り、Enable context menuにチェックを入れる。
画面上の各項目はざっくり以下のとおりだ。
- Export … 設定の保存
- Import … 設定の読み込み
- 各要素の移動
- 新規 … 新しい要素の追加
- 修正 … 既存の要素の変更
- 消去 … 既存要素の削除
- Hide … 要素の一時非表示
- Duplicate … 複製
- 上/下に移動 … 表示順(重なり)の変更
若干英語が残るのが気になる…
グラフを出してみる
実際に、CPU使用率のグラフを出してみる。
「新規」を選択すると、以下のようなウィンドウが出現する。
上部のボックスで表示させたいデータを選ぶ。温度をはじめ各パーツの使用割合、消費電力等の値が取得可能。
- Item type …表示スタイル。今回は「Graph」。
- Type … グラフの種類を選ぶ。
- Width・Height … 幅と高さを指定(px単位)。
- Max/Min value …グラフの最大値と最小値。
- Auto-scale … 現在値に合わせて最小値と最大値が変動。
- Show scale … 最小値・最大値の文字表示
- フォントや色・サイズの変更も可
背景や枠、グリッドの色・太さ等も指定できる。
表示位置を座標指定できるが、別の設定方法(次項)の方が良い。
OKをすると、パネル上に項目が追加される。
要素の移動方法
各要素の位置は座標指定できるが、感覚的に分かりづらい。センサーパネルマネージャー上のコントローラーで調整するのがおすすめ。
中心の「〇〇px」のクリックで、移動単位を変更できる。パネルを見ながら、調整を行うのが良い。
また、パネル上で要素を右クリックし、”Move”を選ぶことでも移動できる。
Item Type
グラフの他にも、様々な種類の要素を出せる。画像は各項目の一例だ。
Sensor item
シンプルな値・棒グラフの表示に使う。
データソースの選択や文字サイズ、アイテムの幅等を細かく指定できる。
「Show label」にチェックを入れると、タイトルラベルの文字(例:”CPU使用率”)を表示できる。こちらも任意の色や書体を決められる。
「Value / Unit」タブでは単位の表示設定ができる。
温度の場合、デフォルトで「-C」になるので「℃」に変更しておく。
「Bar」タブでは簡易的な棒グラフを設定可能。
「Width/Height」で棒の幅・高さを指定。「Place」で表示スタイルを選べる。
「Limit」の値を指定すると、割合に応じてバーの色を変更できる。例えば、メモリ使用割合を表示する場合は以下の設定を行う。
Min : 0
Limit 1 : 25
Limit 2 : 50
Limit 3 : 75
Max : 100
55%の使用でバーがオレンジ色になる…といった具合だ。
Simple sensor item
「ラベル 〇〇(数値) %(単位)」のような形で表示する場合に使う。
グラフの上に配置して、{グラフタイトル+生の値}にすると良い感じになる。
Static label
単なる文字の表示に。ユーザー名やIPアドレスなどの変数を置くことも可能。
Image
主に装飾用に画像を設置する場合に使用。
パネルマネージャーで一番上に持っていけば、背景画像としても使える。
Graph
先程説明したので、省略。
Gauge
ゲージ。動的な変化が激しいCPU使用率等で使うと効果的。
「Type」で”Costom”を選び、各段階の画像を全て挿入すれば、任意のスタイルに変更可能。画像作成職人の方向け。カッコいいセンサーパネル作りには必須だ。
- Show icon … 円の下にアイコンを表示
- Show value … 円の中心に値を表示
一般設定
パネル作成が終わったら、一般設定をしておこう。
- Windows起動時の自動起動
- システムトレイに最小化
上記の設定を行うことにより、システム起動時にAIDA64が自動起動する他、タスクバーアイコンも消せる。
センサーパネルが完成
各要素を組み合わせて作ったセンサーパネルがこちら。
小さい画面でも見やすくするため、上半分をグラフにした。主要パーツの温度に加えて、メモリ使用割合やCPU状況、GPU電力制限を表示させた形だ。
配置や大きさの調整は時間のかかる作業だが、地道に行っていくほかない。
自作PCのケース内モニターに配置した様子。ガンマとコントラスト設定の影響で、中央下のゲージが白くなってしまったのが気になる。
安いモニターでも視認性を確保するためのディスプレイ調整については、以下のページで解説している。(以下のリンクから直接該当箇所に移動できる)
他人のスキンを使う
自分で0から設定を行うのはかなり大変だ。そこで、AIDA64公式フォーラムから、世界中の方々の作ったスキンをダウンロードできる。以下がフォーラムのリンクだ。
ダウンロードには無料会員登録をする必要がある。
ある程度整ったスキンから、自分に合わせてカスタマイズするのが最適だと思う。筆者の作成したファイルも、同フォーラムで配布中だ。
インポート
ダウンロードしたファイルのインポートは、SensorPanel Managerの右上「Import」から行える。
AIDA64の問題点
実際に使って感じた問題点は以下の通りだ。
GPU使用率が無い
一番知りたかったGPU使用率が何故かデータソース一覧にない。NVIDIA製のグラフィックボードではできないのだろうか。知っている方が居たら、コメント欄で教えていただきたい。
追記:アップデートで表示できるようになりました
起動時にタスクバーが被ってしまう
Windows起動時に、センサーパネルのあるモニターにもタスクバーがオーバーレイ表示されてしまう。特定のモニターのみタスクバーを非表示にする方法を知りたい。
回避策としてタスクバーをメインディスプレイのみとしている。
日本語化がイマイチ
完全に日本語化されているわけではないので、全く英語が分からないと厳しい。
まとめ
独特の設定方法も相まって、非常に難解な「AIDA64」。
使いこなせば、自分のお気に入りのセンサーパネルを作成できる。是非、この記事の内容を実践しマスターしてほしい。
自作PCユーザーはもちろん、ハードウェア好きにはおすすめのソフトだと思う。
<AIDA64関連>
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