2022年11月に発売された「Surface Pro 9」Intel CPU搭載モデルの実機を入手!
スペックやデザイン、実際に使用して感じた良い点・悪い点をレビューする。
Surface Pro 9のスペック
Surface Pro 9(Intel CPU搭載モデル)のスペックをチェックする。
本体サイズ | 幅×高さ×奥行:209×9.3×287mm |
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本体重量 | 879g |
ディスプレイ | サイズ:13.3インチ 解像度:2880×1920 267ppi リフレッシュレート:最大120Hz 縦横比:3:2 コントラスト比:1200:1 |
CPU | Intel Core i7-1255U/i5-1235U |
メモリ | 8/16/32GB |
ストレージ | SSD 128/256/512GB/1TB |
カメラ | Windows Hello 顔認証カメラ フロント:10MP 1080p リア:10MP 1080p/4K |
インターフェイス | USB 4.0/Thunderbolt 4搭載 USB-C×2 Surface Connect ポート×1 Surface タイプカバーポート×1 |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
オーディオ | オーディオ:Dolby Atmos 2W ステレオ スピーカー マイク:Dual far-field スタジオ マイク |
バッテリー | 通常駆動時間:最大15.5時間 公称容量:47.7 Wh |
発売日 | 2022年11月29日 |
第12世代Intel CPUを搭載するモデルのほか、5Gに対応したARM SoC「Microsoft SQ3」モデルも存在する。本記事では、前者について取り扱う。
本体カラーはプラチナ・サファイア・フォレスト・グラファイトの4色展開。
「Surface Pro 8」には搭載されていたイヤホンジャックが廃止されている点には注意が必要だ。
価格
CPU/メモリ/ストレージの各構成ごとの価格は以下の通りだ(記事執筆時点/公式ストア)。
- i5/8/128 … 162,580円
- i5/8/256 … 174,680円
- i5/16/256 … 219,780円
- i7/16/256 … 248,380円
- i7/16/512 … 291,280円
- i7/16/1TB … 334,180円
- i7/32/1TB … 391,380円
Office Home & Business 2021のライセンスが付属している。
前作比で約10%程度値上がりしており、割高感が否めない。
本体デザイン・外観
今回購入したのは、「Surface Pro 9」Core i7・メモリ16GB・SSD512GBモデルのプラチナ色。
マットなアルミニウム製で、背面にMicrosoftのロゴが見える。
角度調節可能なキックスタンドはSurface Proシリーズの特徴だ。
Intel CPUモデルは、冷却ファンを内蔵しており、裏側面に通気孔がある。
65WのSurface Connect ACアダプタが同梱されている。USB-CのPD急速充電も可能なので、出番は少ないかも。
Signature キーボード
専用のキーボードカバーも同時に購入。記事執筆時点での価格は、「キーボード+ペン」が33,660円、「キーボードのみ」は21,890円。今回は後者を選択した。
こちらは以前より販売されており、Surface Pro 8やSurface Pro Xと共通となる。
Surfaceではお馴染みのAlcantara素材を採用。独特の柔らかい手触りがとても良い。
キーストロークは約1.5mm程度と、一般的なラップトップのキーボードと大差ない。
上部にペンを収納するスペースがあり、同時に充電も可能だ。
ペン収納部分は隠れるため、落とす心配がないし、無くても不格好にならない。
キーボード込みの重さは、1,160グラムとなる。
タッチパッドは決して大きくないが、操作性は悪くない。
画面底部は、キーボードの縁ギリギリになるため、タスクバーのタッチ操作がしづらい。
良い点・悪い点
Surface Pro 9を実際に使用して感じた、メリット・デメリットは以下の通りだ。
- 3:2の”縦長”アスペクト比
- 良好な顔認証速度・精度
- Thunderbolt 4 USB-Cコネクタ搭載
- 通常使用時はほぼ無音
- 立てて保管できる
- SSDが交換可能
- 角度調整は限界あり
- キーボードが打鍵時に歪む
- 画面底部がキーボードの縁ギリギリ
- タブレットとしてはイマイチ
- 13.3インチは大きすぎる
- ディスプレイの品質が物足りない?
- Windowsのタッチ操作は最適化不足
3:2の”縦長”アスペクト比
一般的な16:9のディスプレイよりも少し縦長な「3:2」のアスペクト比を採用。
縦方向に表示できる情報量が増え、一覧性が向上。スクロールが必要なあらゆるコンテンツにおいて、効果を発揮する。
3:2ディスプレイを搭載するノートPCはけっこう貴重で、Surfaceを選ぶ理由のひとつだ。
Thunderbolt 4 USB-Cコネクタ搭載
左側面に、高規格のThunderbolt 4コネクタを搭載。
4Kモニター2枚に出力できるほか、eGPUの接続も可能。ドッグ経由で繋げば、ケーブル一本でデスクトップPCに早変わりする。
タブレット・ノート・デスクトップの一台3役的な使い方ができるのが魅力だ。
もちろん、PD対応のUSB-C充電器で充電もできる。
通常使用時はほぼ無音
Intel CPUを搭載したモデルはファンレス仕様でないものの、動画閲覧やOffice作業を行っている限りはほぼ無音だった。
発熱は、動画再生時にほんのり暖かくなる程度。
もちろん、負荷のかかる処理を行う際はファンが作動するが、基本的には停止しているものと考えて良いだろう。
立てて保管できる
普通のラップトップは保管時に机を占有してしまう。一方でSurface Proは、キーボードを画面側に起こした状態で自立するため、限られたスペースを有効活用できる。
「デスクに常に設置しておいて、必要な時に展開する」という使い方は盲点だった。
SSDが交換可能
内蔵のSSDは交換が可能だ。
ストレージアップグレードによる値段増が激しいので、自分で変更するのもアリかもしれない。
角度調節は限界あり
ヒンジは以下の角度まで展開できる。
最小角度は↓くらいが限界。安定させるためにはこのくらいの角度が必要。
個人的にはもう少し垂直に近くしたい。構造上致し方ないが、若干マイナスポイント。
キーボード打鍵時に歪む
Signature キーボードカバーは柔軟性があり、打鍵時にたわむような感覚がある。人によっては気になるかもしれないので、一度店頭で実機を確認すべし。
タブレットとしてはイマイチ
パソコンとしての利用は概ね満足しているが、タブレットとしては不満点が多い。
13.3インチは大きすぎる
本体サイズは、幅209×厚み9.3×高さ287mmであり、タブレットとしてはかなり大型の部類に入る。
タブレットの利用シーンが、専ら布団で横になりながらという筆者にとっては、13.3インチの画面は大きすぎて、取り回しが悪いと感じた。
「ノート代わりに」「机に座って」という利用方法を想定されている方には、最適なサイズなのかもしれない。
ディスプレイの品質が物足りない?
搭載する液晶パネルの画素密度は267ppi。タブレット利用時に10cmほどまで近づいて見ると、画面の粗が目立つ。
また、液晶のバックライトを遮断しきれず、画面が全体的に白くなる傾向があるように感じた。
決して悪いパネルではない。しかしながら、普段最上級の有機ELパネルを積んだスマホの画面に見慣れていると、どうしても劣る印象を抱く。
120Hzのリフレッシュレートは効果が感じられず
Windows 11のアニメーションが緩慢でフレーム数が少ないせいか、120Hzのリフレッシュレートが全く活かされていない。スクロールのサクサク感が皆無(ただし、マウス操作では気にならない)。
Windowsのタッチ操作は最適化不足
タッチでのWindows 11操作は、まだまだ最適化が進んでいないと感じる。
多くのソフトがポインティングデバイスでの操作を前提として設計されているため、直感的なタッチ操作が難しい。また、Webベースのコンテンツに関しても、指の追従性が悪いため違和感がある。
慣れによる部分が大きいかもしれないが、「タブレット目的でのSurface Pro 9購入」はおすすめできない、というのが現時点での結論だ。
まとめ
「Surface Pro 9」は、タブレットにもなる2-in-1スタイルのノートPCだ。
しかしながら、「タブレット」としての利用体験は期待するものではなかった。
また、キックスタンドの性質上、膝の上に置いて操作も厳しいため、「これならSurface Laptopでも良かったかな…」というのが正直な感想だ。
とはいえ、全体的なハードウェアのクオリティは高く、ノートPCとしては必要十分といえる。
最低構成+キーボードの組み合わせでも18万円を超えるなど、価格面でのハードルが少し高いという印象。Surfaceは学割等のキャンペーンも頻繁に開催されるため、施策を駆使して購入するのが良いだろう。
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