圧倒的カメラ性能で人気のvivo Xシリーズの最新作「vivo X90 Pro+」を入手!
- vivo X90 Pro+ 中国版
- 型番:V2227A
- Snapdragon 8 Gen 2搭載
- 発売日:2022年12月6日
この記事では、スペックや外観デザインを確認するとともに、実際に使用して感じた良い点・悪い点をレビューする。
スペック
CPU(SoC) | Snapdragon 8 Gen 2 |
メモリ(RAM) | 12GB LPDDR5X (拡張+8GB) |
ストレージ | 256/512GB UFS 4.0 |
寸法 | 164.35×75.29×9.7mm |
重量 | 221g |
ディスプレイ | タイプ:AMOLED サイズ:6.78inch アスペクト比:20:9 画面占有率:92.5% 解像度:3200×1440 コントラスト比:8000000:1 リフレッシュレート:120Hz その他:10.7億色,P3 |
カメラ | <広角> 50MP,IMX989,1inch,f/1.75,T*,OIS <超広角> 115°,48MP,f/2.2 <ポートレート> 2x,50MP,IMX758,f/1.6,OIS <望遠(ペリスコープ)> 3.5x-100x,64MP,f/3.5,OIS <インカメラ> 32MP,f/2.45 |
バッテリー | 4700mAh,有線80W,無線50W |
防水・防塵 | IP68 |
初期OS | Android 13 OriginOS 3 |
対応バンド | 4G TD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42 4G FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B25/B26/B28/B66 5G:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78/n79 |
色 | 华夏红,原黑 |
発売日 | 2022年12月6日 |
価格 | 12GB+256GB:6499元 12GB+512GB:6999元 |
vivo X90 Pro+は、世界初の「Snapdragon 8 Gen 2」を採用したハイエンドスマホだ。
LPDDR5Xのメモリ、UFS 4.0のストレージを搭載し、ディスプレイはE6発光材料、1440Hz PWM調光に対応。超音波式の画面内指紋認証センサーに「Qualcomm 3D Sonic Max」を採用するなど、全方位で最高峰のスペックを備える。
開封
入手性の悪いvivoの端末だが、今回はTwitterで話題のガジェットショップ「まめこmobile(@Mameko_Mobile)」で注文した。
付属品
本体とケース・80W充電器・USB-C to Cケーブル・説明書類が同梱されている。
ACアダプタはUSB-PDにも対応しており、ノートPC等の機器を充電可能だ。
付属のケースは、本体のデザインに合わせた特別仕様となっている。
本体
外観・デザイン
背面は、最近の中華ハイエンドスマホのトレンドである、レザー調の素材を使用。
上部に配置された円形のカメラバンプは、5mm程度の出っ張りがある。
フレーム部分は表裏ともにラウンド形状。
厚みは9.7mmと、結構分厚い。
好みが分かれそうなデザインではあるが、個人的に派手な赤色が気に入っている。
重量
vivo X90 Pro+の重さは実測224グラム。付属のケース込みで242グラムとなる。
ラウンドエッジにより、数字ほどの重量や持ちづらさを感じない。
OriginOS 3
vivo X90 Pro+は、Android 13ベースのカスタムUI「OriginOS 3」を搭載している。
日本語にも対応。設定 > ディスプレイと明るさ > フォントスタイルより「経典字体」を選択することで、いわゆる中華フォントを解消できる。
Google Play ストアもOK
GMS・Google Play開発者サービスが動作するため、Google系アプリも使用可能だ。
Google Play ストアはプリインストールされていないので、APKファイルを用意する必要あり。筆者の環境では2022年12月13日時点の最新版が開けず、以前のバージョン(v32.4.14-19)が利用できた。
カメラ
vivo X90 Pro+への期待は、何と言ってもカメラ性能だろう。
カメラのスペックは以下の通りだ。
倍率 | 画角 | 35 mm換算 焦点距離 | 画素数 | CMOS センサー | センサー サイズ | F値 | OIS | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
超広角 | 0.6x | 115° | 14 mm | 48MP | IMX598 | 1/2″ | f/2.2 | – | |
広角(標準) | 1x | ? | 23 mm | 50MP | IMX989 | 1″ | f/1.75 | ○ | T* |
ポートレート | 2x | ? | 50 mm | 50MP | IMX758 | 1/2.4″ | f/1.6 | ○ | |
望遠 | 3.5x | ? | 90 mm | 64MP | OV64B | 1/2″ | f/3.5 | ○ | ~100x |
インカメラ | – | ? | 24 mm | 32MP | S5KGD2SP | ? | f/2.45 | ? |
レンズはZEISS T*コーティングが施されている。また、専用の画像処理チップ「V2」を備える。
取り急ぎ、日中・夜間の写真を撮影した。
強いHDRが活かされる逆光
黒つぶれ・白飛びしがちな逆光環境下での撮影。
手前の植物やタイルが潰れずに描写されているほか、空も青く出ている。HDR性能は概ね期待通り。
フレア・ゴーストも抑制されている(T*コーティングの効果か)。
望遠でもHDRが効いている。
使いやすい2倍・3.5倍望遠
光学2倍と3.5倍の組み合わせが、非常に使いやすい。
細部までしっかりとキャプチャされており、解像感が高い。
ZEISS Natural Color
純正カメラアプリでは、Carl Zeissのナチュラルな色を再現した「ZEISS Natural Color」を利用できる。
彩度が低くなり、落ち着いた印象を与える写真が仕上がる。
個人的には、通常モードの濃い色が好き。
階調表現がイマイチ
階調表現がイマイチだと感じた。例えば、空を撮影すると色が段階的になってしまう。
この辺りは10bitの色深度の画像を出力できる「OPPO Find X5」等の方が良いかもしれない。
夜景
続いて、都市夜景の作例だ。夜景モードを使用。
ホーム上や奥の電光看板まで、白飛びせずに写っている。
vivo X50~X80シリーズにあった小型ジンバルは、本機で廃止されている。超広角カメラは光学式手ぶれ補正(OIS)がないが、撮りづらさは感じなかった。
2倍・3.5倍ともに、明るさを保ちながらノイズも抑制されている。
暗所では、自動的にメインカメラのデジタルズームに切り替わる機種が多いが、この写真は望遠カメラがそのまま使用されている。
3.5倍より高倍率はデジタルズームとなるが、ほとんど画質の劣化が感じられない。駅名標の文字や建物の内部まで丸見え。
別画角
超広角は歪みが少ない。
夜景モードを使うことにより、空の色が黒(青)く出るので、締まった画になる。
この程度の暗さであれば、望遠でも使える印象だ。
夜間撮影中、どのカメラも露光時間が1~2秒と極端に長くならず、ブレづらかった。
ポートレートモード
ポートレートモードでは、biotarやSonnarといった、Carl Zeissのレンズを再現した様々なボケ演出が可能。
認識が難しい細い枝、かつ薄暗い室内でも、ある程度正確に背景を分離できている。
楽しめる撮影機能が満載
長時間露光やミニチュア風エフェクトなど、楽しめる撮影機能が満載。
他にも、ZEISS APC(遠近感の補正)や星空モード、月撮影に特化した「スーパームーン」などを利用可能だ。
ZEISS EDoF
結構便利そうなのが、ZEISS EDoF(被写界深度拡張)モード。
全体をくっきり写すことができる。被写界深度の深い写真を合成しているらしい。
大型センサーの弊害である”ボケすぎ”を防げるため、食事や風景の撮影で活躍しそう。
ハードウェア・ソフトウェアともにレベルが高いだけでなく、遊べる・楽しい機能が豊富。多くの人が満足できるカメラだろう。
その他の作例を記事の最後に掲載しています。
爆速指紋認証
画面内指紋認証は、超音波式の「Qualcomm 3D Sonic Max」を搭載。認識範囲が広く、速度・精度も良好。
また、2本指スキャンでのセキュリティ向上も可能だ。
本当に快適なので、全機種コレにしてほしいレベル。
バッテリー
vivo X90 Pro+のバッテリーは、4700mAhのデュアルセルとなっている。
度々テザリングを使いながら、写真・動画を約200枚撮影。外出から帰宅まで、しっかりと使うことができた。バッテリー持ちは必要十分と言える。
充電は、80Wの有線Flash Chargingのほか、中国国内の規制上限である50Wワイヤレスに対応する。30分程度でほぼ満タンまで回復するため実用的だ。
オーディオ
Bluetoothコーデックは、aptX・aptX HD・LDACに対応。
スピーカーは、受話部と下部の独立スピーカーでステレオを実現するタイプとなっている。体感では、下部の方が音量が大きく、少し違和感があった。
良い点・悪い点
vivo X90 Pro+を使って感じた、メリット・デメリットは以下の通りだ。
- 溢れ出る”最強感”
- 爆速指紋認証
- 重量のわりに比較的持ちやすい(ラウンドエッジ)
- 細かく設定できる秀逸なアニメーション
- OriginOSが好き
- 日本のVoLTE対応
- 高リフレッシュレートアプリを選択可能
- ビジュアル拡張がYouTube等でも利用可能
- HDR画像・動画の拡張表示
- Widevine L1 & アマプラ高画質OK
- バックグラウンド動作は要設定
- 一部Googleアプリが正常動作しない
- 中国国内限定の機能が多数
- UIの日本語表示最適化が不十分
細かく設定できる秀逸なアニメーション
設定 > 動的効果より、各場面のアニメーションを細かくカスタマイズできる。
アプリ開閉のトランジションがとにかく滑らかで、使っていて気持ち良い。OriginOSのアニメーションやデザインの設計思想がとても好き。
日本のVoLTE対応
記事執筆時点での最新バージョンである「PD2227C_A_13.0.15.4.W10」では、国内4キャリアのVoLTEを利用可能。
SoftBank(旧iPhone用SIM)に関しては、APN設定も不要で、SIMカードを挿入するだけですぐにデータ通信が開始された。
高リフレッシュレートアプリを選択可能
リフレッシュレート120Hzで実行するアプリを設定で選べる。中国系アプリ以外も選択でき、全アプリで高リフレッシュレートを出せる。
ビジュアル拡張がYouTube等でも利用可能
画面の色やコントラストを拡張する「ビジュアル拡張」を、YouTubeやAmazon Prime Videoでも有効化できる。
この辺りの制限がゆるく、中華系OSの割には使いやすいと思う。
HDR画像・動画の拡張表示
HDR(Dolby Vision)で撮影した写真や動画を、優れたダイナミックレンジで表示できる。iPhoneやHUAWEI端末にあるような、明るい部分をより強調するアレ。
撮影した画像をそのままvivo端末で表示すると、より美しく見える。
Widevine L1 & アマプラ高画質OK
デジタル著作権管理のセキュリティレベル「Widevine L1」に対応。NetflixなどのVODのHD再生が可能だ。
また、独自のホワイトリストを持つAmazon Prime Videoの高画質再生もできた。
質の高いSamsung E6 AMOLEDパネルを活かせる。
バックグラウンド動作は要設定
ここからはイマイチな点。
中華系OSのお決まりだが、アプリのバックグラウンド動作が厳しく制限される。
ただし、以下の設定をすることで常駐系アプリも問題なく動いた。
設定 > バッテリー > バックグラウンドでの消費量の管理 > バックグラウンドでの大量の電力使用を許可する
設定 > バッテリー > 詳細設定 >スリープモード[無効化]
設定 > アプリと権限 > 権限管理 > 権限 > 自動起動
設定 > アプリと権限 > アプリマネージャー > [該当アプリを選択] > 権限 > すべての権限 > 起動
一部Googleアプリが正常動作しない
vivoの端末では2年ほど前から発生している事象。筆者の環境では、Googleフォトにて一部の画像が一覧に表示されず、自動バックアップができない([デバイス内の写真]から見えない)。
また、Google Oneバックアップもエラーが出るなど、一部のGoogleアプリが正常動作しない場合があるため、注意が必要だ。
UIの日本語表示最適化が不十分
OriginOS 3自体は日本語に対応しているものの、一部最適化が不十分な箇所が見受けられる。
たとえば、こちらの画面では文字がボタンに被ってしまっている。
中国国内限定の機能が多数
OSに統合されている便利な機能の多くは、中国国内での使用を前提に作られているため、日本人に嬉しい要素は限定される。
あくまで”中国向けOS”であり、間違ってもメイン機として購入してはならない。
ベンチマーク
新世代SoC「Snapdragon 8 Gen 2」のベンチマークスコアを測定する。バッテリーモードはすべて”バランスモード”で実行。
AnTuTu Benchmark
AnTuTu Benchmark v9.5.4の測定結果は以下の通りだ。
総合スコアは1272925点を叩き出した。内訳は、CPU 264845点/GPU 569303点/MEM 252737点/UX 185040。特にGPUが非常に高いスコアとなっている。
本体温度は30.1℃スタートで7.2℃上昇、バッテリーは6%減少した。
Storage Test
理論値で4200MBpsの読み取り速度、2800MBpsの書き込み速度を実現する「UFS 4.0」規格のストレージ。
AnTuTu BenchmaekのStorege Testでは、123602点をマーク。速すぎてもはや体感できない。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアは以下の通り。
CPU(シングル) | 1483 |
CPU(マルチ) | 4534 |
Compute<Vulkan> | 9967 |
「Snapdragon 8+ Gen 1」の平均的な値と比べて、10%程度向上している。
なお、GPUの性能を測るComputeにおいて、Compute API「OpenCL」が選択肢から消えていた。Snapdragon 8 Gen 2は非対応なのか?もしくは、最新のGeekbenchでは廃止されたのだろうか?分かる方教えてください。
入手方法
vivo X90 Pro+は日本国内で発売されていないため、海外通販サイトを利用する必要がある。
Etoren
海外スマホの輸入販売を行う「Etoren」では、vivo X90シリーズを販売中。
Etorenは、税込表示で配達時の税金(関税/輸入消費税)支払いが不要。1年間の製品保証が付帯している他、有償の運送保険に加入できるため、高額品でも安心して利用できる。
AliExpress
中国大手通販Alibabaが国際向けに展開する「AliExpress」では、複数のストアがvivo X90 Pro+を出品している。
14万円切りで販売するストアも出現しており、定価に近い価格で入手できる。
まとめ
vivo X90 Pro+は、最新規格のSoCやメモリ・ストレージを搭載しており”2023年のスマホ”というイメージだ。
カメラに関しては、vivoの弱点であった望遠がハードとソフトの両面から強化され、非常に完成度の高い仕上がりとなった。
全方位で隙のないスペックとなっており、とにかく所有欲を満たしてくれる一台と言える。
カメラその他作例
vivo X90 Pro+で撮影した写真。
皆さんも欲しくなりましたか?
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