グラフィックボードが不調になり、「GIGABYTE RTX 3060 GAMING OC」から「PNY GeForce RTX4070 12GB VERTO STANDARD DUAL FAN」に交換した。
筆者の自作PCは2021年6月に組んだもので、その時から使用していたグラフィックボードが故障したのが購入理由だ。
この記事では、新しいカードの取り付けやベンチマーク、ゲーム・AI性能についてレビューする。
実際には故障していなかったようです。興味がある方は別記事を見てね。
PNY「VERTO STANDARD DUAL FAN」
RTX 4070を搭載したPNYのグラフィックボード。購入時の実質価格は99,801円となっていた。
スペック
本体の仕様は以下の通りだ。
本体寸法 | 247.41 x 120.35 x 40.78mm |
CUDA コア | 5888 |
クロック速度 | 1920 MHz |
ブーストクロック | 2475 MHz |
メモリ速度 | 21 Gbps |
メモリ容量 | 12GB GDDR6X |
メモリインターフェース | 192-bit |
メモリ帯域幅 | 504 GB/s |
TDP | 200 W |
出力 | DisplayPort 1.4 x3, HDMI 2.1 x1 |
補助電源 | 8-Pin x1 |
Ada Lovelace アーキテクチャを採用したミッドハイGPUのGeForce RTX 4070。DLSS 3やレイトレーシングに対応しており、WQHDの高リフレッシュレートゲームに最適とされる。
今回購入した、PNY「VERTO STANDARD DUAL FAN」は、デュアルファン+2スロット厚のコンパクトな設計となっている。
TDPは200W、推奨電源容量は650Wと、消費電力の少なさも魅力の一つだ。
外観・デザイン
本体には、2連タイプの冷却ファンを備える。カード長は約247mmと、様々なケースにも収まりやすいサイズだ。

できれば3連ファンでLED盛り盛りの派手なモノが欲しかったが、設置の都合上こちらを購入した。

以前使用していたカード(GAMING OC 12G)と比べると、コンパクトさが際立つ。

前面のデザインは、シンプルながらチープさは感じず、悪くない。

金属のバックプレートは標準的な厚さ。

8ピン1本で動作するのがGood Point!

厚さは2スロットに収まる。
設置
諸事情によりグラボの縦置きを辞めていたが、デザインを楽しみたいので、改めて設置していく。

軽く掃除した後、以前のカードを取り外し、ライザーケーブルを固定。

スロットに差し込んでブラケットをネジ止めすれば完了だ。

2連ファンだけど、なかなか良い感じ!
ベンチマーク
各ベンチマーク等の結果をRTX 3060と比較しながら見ていく。
GPU以外のスペックは以下の通りだ。
3DMark Time Spy


RTX 4070のスコアは15394と、当然だがRTX 3060比で明らかに向上。AIDA64で計測したGPU単体の消費電力は、それぞれ170W・184W前後を示した。
噂通り「WQHD+高リフレッシュレート」が狙えそうだ。
3DMark Time Spy Extreme


ネット上のスコアを見る限り、”RTX 3080より少し劣る”といった具合。
ゲームにもよるが、4Kで安定したプレイは厳しいかも。
3DMark Port Royal
DirectX Raytracingの性能を測る「Port Royal」も回してみた。


RTX 3060と比較して、2倍以上のスコアが出た。しかしながら、消費電力は10%程度の上昇に留まっており、省電力性の高さが伺える。
FINAL FANTASY XV
各解像度で「FINAL FANTASY XV Benchmark」を実行。
解像度 | RTX 3060 | RTX 4070 |
---|---|---|
1920×1080 | 9264 とても快適 | 15037 非常に快適 |
2560×1440 | 7102 快適 | 12653 非常に快適 |
3840×2160 | 4061 普通 | 6463 快適 |
1.5~1.7倍程度の数字となり、評価も1~2段階上がった。
Stable Diffusion
最近のグラボの用途といえば、やはり「AI」は外せないだろう。
去年くらいから流行っている画像生成AI「Stable Diffusion」を試した。モデルは「Anything v3」、txt2imgで計15枚(Batch count 5,Batch size 3)の生成にかかる時間を計測。
RTX 3060 | RTX 4070 |
---|---|
48.40秒 | 44.56秒 |
約8.3%、生成速度が向上した。
生成された画像の1つがこちら↓。プロンプトは呪文生成器で適当に作成したもの。

Steps: 20, Sampler: Euler a, CFG scale: 7, Seed: 3320007905, Size: 512×512, Model hash: 3088848987, Model: anything-v3-fp32-pruned
Midjourneyとかも良いけど、ローカルで錬成できるのは夢があると思う。
マイニング
2023年にGPUマイニングをやっている人は流石に居ないと思うが、ベンチマーク的には使いやすいので、一応。
ETHがPoS移行してしまったので、Ethereum Classicを掘ってみる。

RTX 3060のハッシュレートは41 MH/s、GPU単体の消費電力は144W程度。

RTX 4070は、NBMinerが何故かエラーで動かなったので、T-Rexを使用。
165Wに対して約57 MH/sという結果に。消費電力が5W程度少ないのにも関わらず、約27%ハッシュレートが向上した。驚異のワットパフォーマンス。

ちなみに、余裕で赤字なのでやめましょう。
ゲーム実使用
筆者はゲームをほとんどプレイしないので、ゲーム性能についてはあくまで参考としてご覧いただきたい。
Minecraft Java Edition

ビデオ設定はすべて最高にセット。

RTX 3060でも、ほとんどの場面で60~100FPS程度を維持し、平均75FPSという結果だった。ただし、時々50FPSを切ることもあった。

数値はわずかに上昇しているが、実感としてはほとんど変化がなかった。
原神

画質「高」設定で原神をプレイ。

RTX 3060でも既に60FPS張り付き。ポリゴンの多いシーンでないと差がつかないのだろう。

4K HDRで遊ぶと非常に美しく、景色を眺めるだけで楽しい。
まとめ:中途半端感が否めないグラボ

RTX 4070は、3070 Ti~3080と同等の性能を低消費電力かつコンパクトなサイズで実現できるのが魅力だ。
しかし、2023年現在の状況では、12GBのメモリや192bitのメモリバス幅といったスペックは、70シリーズとしては不十分に感じられる。約10万円という価格帯を考慮すると、RTX 4070は中途半端な存在と言わざるを得ない。
クリエイティブ性能については今回検証しなかったが、NVENCは1基しか搭載されておらず、4070 Tiと比べて半分になっている。
どんな目的であれ、もう少し予算を増やしてより上位の製品を選んだ方が満足度は高いだろう。
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