「Galaxy Fold」に先駆け、2018年11月に発表された”世界初”の折りたたみスマホ「FlexPai」が筆者の手元にやってきた!
FlexPaiは”真の世界初”折りたたみスマホ
「FlexPai(フレックスパイ)」は、中国のディスプレイメーカーであるRoyoleが2018年11月に発表・発売した、折りたたみ式有機ELパネルを搭載した世界初のスマートフォンだ。
SoCにはSnapdragon 855を採用し、LPDDR4X 6/8GBのRAM、UFS 2.1規格 128/256/512GBのストレージを搭載する。
折りたたみスマホの初期モデルといえば「Galaxy Fold」が話題を呼んだが、同機よりも早く市場に投入されたのが「FlexPai」である。
真の世界初折りたたみスマホ、FlexPaiを見てきた!
— PC人間 (@pcningen) December 7, 2019
思った以上に完成度が高い。
GalaxyFoldと違って簡単にディスプレイに傷つかないから実用性高そう。
例の麻薬王のやつが欲しくなってきた。
at 有楽町 pic.twitter.com/0O7fHG3ukZ
上記ツイートは、筆者が2019年12月に有楽町の阪急メンズ東京にて開催されたポップアップストアに訪問した際のもの。
FlexPaiは展示のみならず、代理店経由で国内でも販売されていた。(ただし、技適は取得していない。)
開封

プレミアム感のある大きな箱に入れられている。

付属品も充実。2022年現在では珍しい、イヤホンやACアダプタも同梱されている。

本体の外装フィルムには、「開閉時は中心を押すな」「充電・未使用時は展開しろ」など、様々な注意事項が記載されている。
外観・デザイン

背面中央部には、工業製品のようなゴム質のヒンジが見える。

荒削りな感じは嫌いじゃない。

表面から見て左側のベゼルが持ち手のようになっており、アウト兼インカメラを2基搭載している。
一見して折り目もわからず、開いた状態は至って普通のミニタブレットだ。
折りたたんでみる

スプリングが効いておらずヒンジが硬いため、折りたたむのが結構怖い。硬い板を”曲げる”ようなイメージ。

閉じた時のギャップも結構大きい。
使用感レビュー
クオリティは低い
正直言ってハードウェアのビルドクオリティは低く、どうしても”試作機感”が否めない。

ディスプレイ中央がベコベコと凹むような感触がある。また、完全に平らにならず山なりに反っているのが若干気になる。

パネルの品質も悪く、コントラストの強い画像等を表示すると、それに引っ張られて左右まで色が変わってしまう。
ネット上では「黒点ができた」「ヒンジカバーが剥がれた」などの声が散見される。残念ながら日常使いに耐えうる代物ではないと感じた。コレクション目的以外での購入は全くおすすめしない。
ソフト面は?
OSはAndroid 9ベースの「water OS 1.1」を搭載。システム言語は英語・中国語のみに対応しているが、ブラウザ等での日本語表示は可能だ。

エッジ部分にショートカットを配置できるといった(一応)実用的?な機能もある。

裏側にはよく使うアプリや機能のウィジェットを配置できる。
折りたたんだ状態では天面にホーム画面が表示される。そのため、寝転びながら操作しようとすると、サブ画面が手前に表示されてしまうので少々不便‥。
また、時計表示が進まなかったりと、全体的に不具合は多め。
Google系アプリにも対応
APKファイルを用意すればGoogle Playストアも使用可能(要OS更新)。

Google Play開発者サービスを必要とするアプリも問題なく動作した。
ただし、設定アプリ内の”Google”項目がクラッシュするというバグを抱えており、同期等のセットアップが行えない。恐らく今後のアップデートもないので諦めるしかない。
初代Galaxy Foldと比較
筆者が当時34万円で購入した、世界初の”内折り”スマホ「Galaxy Fold」と比較する。

Galaxy Foldは筐体が一回り小さいが、画面サイズはあまり変わらない。個人的にはFlexPaiの適度なベゼル幅や4:3のアスペクト比が好き。

折り目の少なさはFlexPaiの勝利!(内折り・外折りの違いはあるが…。)
Galaxy Foldの画面保護膜は爪で触れただけで簡単に傷ついてしまう。一方のFlexPaiのディスプレイはある程度の硬度があるため、傷耐性に優れる。

メディア向け初期ロットから延期を重ねて一般販売されたGalaxy Foldは、さすがにプロダクトとしての完成度が高い。
ただし、両者とも「やさしく扱ってあげないと、すぐに壊れてしまいそう」という感想を抱く。
入手方法
FlexPaiの生産は既に終了している。新品・中古を含めて日本国内にほとんど流通していないため、海外通販サイトで入手することになるだろう。
今回は独身の日セールに合わせ、AliExpressで注文した。

クーポンやキャンペーンの併用により、最終的に307.72ドル(45,307円)となった。元値が9,988元(約198,000円)であることを考えると、悪くない値段だと思う。
そう長くは販売が続かないと予想されるため、欲しい方は早めに確保すべきだろう。
まとめ

本体のクオリティはさておき、コンセプトやサイズ感はとても良い機種だと感じた。
色々と問題のある「FlexPai」だが、新しい市場を開拓した初代機として歴史に名を刻む一台であることは間違いない。
2022年時点で未だに発展途上の折りたたみスマホは、今後どこに向かうのだろうか。
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