2020年4月のMNOサービス開始以降、大規模なキャンペーンやプロモーションにより、急速に普及が進む楽天モバイル。一年以上が経過し、無料期間の終了を控えている方も多いだろう。
筆者も契約をし、一年間の無料の無制限回線を存分に利用している。
そんな楽天モバイルだが、謎の3円/6円/103円などの少額請求があり、不安になった方も多いと予想される。また、本記事では想定よりも数円請求額が多い現象についても取り上げる。
3円,113円の請求
Google Playストアにキャリア決済を設定した場合
可能性として、「Google Playストアのキャリア決済を設定時のSMS送信料」が挙げられる。
楽天モバイルキャリア決済を設定した場合、端末のメッセージアプリから自動的にSMSが送信される。Rakuten Linkアプリを使用せずに送信されるため、通常の料金が発生するというわけだ。Googleとの認証に必要なコードとなり、回避することはできない。
試しに、キャリア決済の設定をしたところ、DCB-xxx…という文字列のSMSが送信されていることが確認できた。このSMS送信料が3円の正体だ。
ちなみに、2021年7月現在Google Playストアでの楽天モバイルキャリア決済の利用で、10%の楽天ポイントを還元するキャンペーンが開催されている。アプリ内課金やコンテンツ購入のみならず、YouTube PremiumやGoogle Oneなどの料金支払いにも使用できるため、活用すると良いだろう。条件などの詳細を公式ページで要チェックだ。
113円の場合は?
113円の場合、考えられる内訳は以下の通りである。
SMS送信料 | 3円 |
口座振替手数料 | 100円 |
消費税 | 10円 |
請求額 | 113円 |
月額料金の支払いに、銀行口座(口座振替)を設定している場合、手数料が発生する。このような理由から113円の請求が来ていると考えられる。
実際に口座振替を設定したところ、110円の手数料が加算されていることが確認できた。
間接的に銀行口座を使いながらも、この手数料を回避する方法については、別の記事で解説する予定だ。
請求額が数円多い
ここからは、請求金額が宣伝や想定よりも数円多い場合について説明する。
数円の請求と聞くと、ユニバーサルサービス料を思い浮かべる方もいるだろう。Rakuten UN-LIMIT VIでは「1GBまで0円」を謳っているが、当該料金は取られるのだろうか?
結論から述べると、プラン料金0円の月にユニバーサルサービス料は請求されない。また、新規契約に伴う「1年」「3ヶ月」無料キャンペーン期間中も請求はない。
しかしながら、公式サイトや広告には、980円(税込1,078円)、1,980円(税込2,178円)、2,980円(税込3,278円)が大きく掲載されており、予想よりも金額が多いことに戸惑いを感じた人もいるだろう。
ユニバーサルサービス料の請求
楽天モバイルは、ユニバーサルサービス料を2021年7月利用分(8月請求分)からユーザー負担とすると発表している。料金は月額3円である。この料金が含まれると1,081円、2,181円、3,281円となる。
予想より113円多い場合、前段と同じく口座振替手数料が加算されている可能性があるため、明細を要確認だ。
ユニバーサルサービス料とは?
電話のユニバーサルサービスとは、日本全国で提供されている加入電話、公衆電話、緊急通報(110番・118番・119番)の電話サービスです。
引用:ユニバーサルサービス支援業務 電話のユニバーサルサービスとは?
ユニバーサルサービス料は、上記のサービスに必要な費用を公平に負担するためのものだ。以前は、2円であったが、改定により現在は3円となっている。
Rakuten UN-LIMIT VIのプランページを見ると、小さな文字で”製品代、オプション料、通話料等は別費用”と書かれている。当該料金は”等”に含まれると解釈すべきなのだろう。
しかしながら、宣伝に使われる金額と差異があり、誤解を招きかねないと感じる。実質的に読むのが難しい小さな文字で詳細な条件を提示するという、携帯電話業界の悪しき風習が受け継がれているようにも思われる。
電話リレーサービス料の請求
次に、電話リレーサービス料の請求について解説する。(サービスの内容については後述。)
こちらも同様に、プラン料金0円の月に電話リレーサービス料は請求されない。「1年」「3ヶ月」無料キャンペーン期間も同じく負担はない。
以下は通話やSMSを利用せず、1GB以上3GB未満の通信量の際の料金例だ。
プラン料金 | 1,087円 |
ユニバーサルサービス料 | 3円 |
電話リレーサービス料 | 1円 |
口座振替手数料 | 110円 |
請求額 | 1,192円 |
ユニバーサルサービス料に加え、電話リレーサービス料が加算されている。
楽天モバイルは、電話リレーサービス料を2021年8月利用分(9月請求分)から請求すると発表している。
電話リレーサービス料とは?
電話リレーサービスとは、聴覚障害者、難聴者、発話困難者(以下、きこえない人)と、きこえる人(聴覚障害者等以外の人)との会話を通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を通訳することにより、電話で即時双方向につながることができるサービスです。
引用:日本財団電話リレーサービス 電話リレーサービスとは
電話リレーサービスは、2020年12月1日に施行された「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」に基づいて制度化された。費用は電話提供事業者が拠出するが、その負担金を利用者に「電話リレーサービス料」として請求する。
記事執筆時点では、負担額は年間6円である。楽天モバイルにおける料金スケジュールは以下の通りだ。
2021年 | 4月 | 0円 |
5月 | 0円 | |
6月 | 0円 | |
7月 | 0円 | |
8月 | 1円 | |
9月 | 1円 | |
10月 | 1円 | |
11月 | 1円 | |
12月 | 1円 | |
2022年 | 1月 | 1円 |
2月 | 0円 | |
3月 | 0円 |
より多くの人々が電話や通信を利用でき、コミュニケーションを取れるようにするべきであることから、このような制度は必要不可欠だと考えられる。だからこそ、楽天モバイルを含む通信キャリア各社には、制度の周知やわかりやすい料金表示を一層行うべきだと筆者は思う。
まとめ
本記事では楽天モバイルの請求額に関する豆知識を見てきた。
このような内容を理解した上で、活用するのが良いだろう。
筆者も、通話用のサブ回線として運用を継続する予定だ。
参考・関連リンク
・楽天モバイル
・【重要】ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料について
・お支払い方法
・日本財団電話リレーサービス
・ユニバーサルサービス支援業務
・聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律
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