日本発売が期待されるrealmeの新型スマホ「realme GT 2 Pro」が着弾!「Snapdragon 8 Gen 1」のベンチマークや「150°魚眼レンズ」「40倍顕微鏡カメラ」を早速試した。スペックや価格、VoLTEについても掲載する。
京東(ジンドン)で購入
購入したのは、「realme GT 2 Pro」中国版の8+256GBモデル。京東(JD.com)で送料含み4,128人民元(約74,000円)だった。
1月4日の予約注文後、発送から6日で到着。非常にスピード感がある。
「realme GT 2 Pro」のスペック
開封の前に「realme GT 2 Pro」のスペックをおさらいしよう。
CPU(SoC) | Snapdragon 8 Gen 1 |
メモリ(RAM) | 8GB/12GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB UFS 3.1 |
寸法 | 163.2×74.7×8.18mm |
重さ | 189g(白・緑)/199g(黒・青) |
ディスプレイ | 6.7インチ 有機EL(LTPO) WQHD+ 1440×3216 画面占有率:92.6% リフレッシュレート:1-120Hz可変 タッチサンプリングレート:瞬間最大1000Hz コントラスト比:5,000,000:1 1400ニト,100% DCI-P3,10億色,JNCD ≈ 0.5, 10240段階調光,Gorilla Glass Victus |
背面カメラ | 標準(広角):IMX 766,OIS,5000万画素,23.6mm,84.4°,F1.8,6P,1/1.56inch 超広角(魚眼):5000万画素,15mm,150°,F2.2,6P マクロ(顕微鏡):20~40倍,4.7mm |
インカメラ | 3200万画素,IMX615,80.6°,F2.4 |
バッテリー | 5000mAh(標準値),4880mAh(定格値) 65W有線充電 |
対応バンド | <5G> SA:N1/N3/N5/N7/N8/N20/N28A/N38/N40/N41/N66/N77/N78 NSA:N41(2515-2675MHz)/N77/N78 <4G> LTE TDD:B34/B38/B39/B40/B41/B42 LTE FDD:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B13/B17/B18/B19/B20/B25/B26/B28/B66 |
その他の特徴 | 36761mm² 冷却板,NFC,Hi-Res Audio, Dolby Atmos,realme UI 3.0(Android 12), 光学式画面内指紋認証(心拍数計測機能付き), Wi-Fi 6,Bluetooth5.2 |
発売日 | 2022年1月7日 |
価格 | 3,899元(約71,000円)~ |
4nmプロセスを採用した最新世代SoC「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載するなど、ハイエンドに相応しい性能だ。
特筆すべきはカメラ性能。150°の魚眼レンズと最大40倍の顕微鏡カメラが本機最大の特徴と言っても良いだろう。2021年、OPPO系列のスマホに多数採用され評判の良い「IMX 766」メインカメラにも期待できる。
ディスプレイには昨年のSamsung E4を採用している点や、IP規格の防水防塵がないことなど、コストカットが図られる部分もある。また、ワイヤレス充電には非対応だ。
4Gバンドは日本国内の全キャリアに対応。VoLTEの使用可否に関しては、本記事の後半で検証する。
なお、記事執筆時点でグローバル版は発表されていない。
開封
では、早速開封していこう。
箱にこだわりを感じる
潰れがほとんどなく、綺麗な状態で届くのが京東の良いところ。
「realme GT 2 Pro」コンセプトである”紙”を感じさせる箱。
本体の背面デザインと同じような凹凸が刻まれている。
付属品
同梱物は、本体と黒色シリコンケース、ACアダプタ、ケーブル、SIMピン、説明書類。65Wの急速充電器が付属するのも嬉しいポイント。
本体・デザイン
今回はホワイトをチョイス。写真だと分かりづらいが、真っ白!って感じ。
レザーとはまた異なる、無機質な肌触りがクセになる。
背面上部には、日本人デザイナーの深澤直人氏のサインが印刷されている。
カメラ部はガラス製で2.5mmの出っ張りだ。
側面はサラサラとしたアルミ製。角が丸く、フラットディスプレイでありながら持ちやすい。
重量
重量は実測193グラム。公称値より4グラム重い。
起動
電源ON!
Android 12ベースの「realme UI 3.0」を搭載。
「realme GT 2 Pro」は、エッジのない平面ディスプレイを採用している。ベゼルが細く、好みのデザインだ。
中国モデルだが、しっかりと日本語にも対応している。
Google Play Storeはプリインストールされていないため、導入する。
Google Play Storeの導入
手順は以下の通りだ。
- App MarketからGoogle Chromeをインストール
- Google Play Storeのapkファイルをダウンロード&インストール
- Googleアカウントでログインして完了!
特に制限は掛けられておらず、問題なく導入できる。あとは、日本語入力ソフトを入れれば通常使用に困らないだろう。
ベンチマーク
次に、ベンチマークスコアを測定する。「Snapdragon 8 Gen 1」がどんなスコアなのか、楽しみだ。
AnTuTu Benchmark
AnTuTu Benchmark v9.2.6、パフォーマンスが向上する「GTモード」をオンにした状態で計測した。
総合スコアは惜しくも100万点に届かず。温度は5.8℃上昇、バッテリーは7%消費した。
総合スコア | 997779 |
CPU | 234706 |
GPU | 420705 |
MEM | 173466 |
UX | 168902 |
特にGPU性能が大幅に向上しており、前世代の「Snapdragon 888」よりも10万点以上高いスコアを叩き出した。その他の項目については、1割程度の上昇といったところ。
発熱が懸念されていた「Snapdragon 8 Gen 1」だが、想像よりも抑制されていると感じた。実行中は触れないほど熱くなることはなく、温もりを感じる程度に留まった。本機は、36761mm²の巨大な冷却板を搭載しており、その効果が発揮されたのかもしれない。
Storage Test
ストレージの速度を測る「Storage Test」も実施。
結果は67214点と、UFS3.1らしい数字が出た。
GeekBench 5
続いて「GeekBench 5」を使用。AnTuTu Benchmarkと同様に「GTモード」で測定した。
以下の表は、Snapdragon 888搭載の「vivo X60 Pro+」とのスコア比較だ。
Snapdragon 8 Gen 1 | Snapdragon 888 | |
---|---|---|
CPU(シングル) | 1253 | 1123 |
CPU(マルチ) | 3520 | 3657 |
GPU<OpenCL> | 6015 | 4681 |
GPU<Vulkan> | 7050 | 4684 |
「Snapdragon 8 Gen 1」は、グラフィック性能が大幅強化されていることが分かる。一方で、CPUスコアでは「Snapdragon 888」に若干劣る場面も見られた。
発熱に関しては、ベンチマークのような短時間の負荷であれば、気になることは無かった。
これらの結果から、「Snapdragon 8 Gen 1」は順当に進化した新世代SoCであると言える。
2K×120Hzディスプレイ
1440×3216のLTPO有機ELパネルにより、1~120Hzの可変リフレッシュレートを実現した。瞬間タッチサンプリングレートは驚きの1000Hz!
しかしながら、開発者向けオプションの表示では、120Hzまたは60Hzでの動作しか確認できなかった。今後のアップデートで改善されるのだろうか?
追記:RMX3300_11_A.14アップデートで、最低10Hzまで表示されるようになりました。
中華系ハイエンド端末としては珍しく、湾曲のないフラットディスプレイを採用している。また、輝度は1400ニトでかなり明るく、太陽の元でも見やすい。
カメラ
それでは、お待ちかねのカメラを試す。
広すぎる!150°魚眼レンズ
150°の画角を誇る超広角レンズで写真を撮ってみた。
非常にダイナミックで迫力のある写真が撮れる。仕上がりは、やや暗めという印象。
一般的な超広角レンズに比べかなり広いが、四隅の歪みが生じた。端の方まで色が崩壊することなく写っている。
逆光になる場面でも、きちんとHDRが効いている。お世辞にも”画質が良い”とは言い難いが、スマホの画面で見るには十分だろう。
魚眼風に出力することも可能。新感覚で面白いが、すぐに飽きそうだ。
太陽に直接向けると、大きなフレアが発生した。ソフトウェアの補正力は弱めかもしれない。
手始めに、薄暗い室内で撮影してみた。
通常の超広角に比べて、格段に広い。ちょっと暗めかな?と思うが、この写真のみでは評価し難い。
魚眼風に撮影することも可能だ。
40倍の顕微鏡が楽しい
OPPO Find X3にも搭載された「顕微鏡カメラ」を試す。(Find X3は最大60倍)
こんなに小さい塩粒も、、
20倍ならここまで拡大できる!これは楽しい!
画質が”良い”わけではないが、かなり実用的。子供心が擽られる。
こちらは「Galaxy Z Fold3」の画面内カメラの様子。今後のスマホレビューで活用できそうだ。
IMX766搭載メインカメラ
続いて、メインカメラでの作例を掲載する。
奥・手前ともに潰れることなく描写できているが、拡大すると粒々感が目立つ。
逆光では、フレアが発生し全体的に暗い。このように、印象の悪い画像が出力される場面も度々あった。画質の安定性は、むしろ超広角の方が上だと感じた。
カメラ性能は「物珍しい撮影機能を楽しむ分には良いが、クオリティを求める人には向かない」というのが、現時点での感想だ。
VoLTE対応状況
realme UI 3.0[ビルド番号:RMX3300_11_A.12]では、特に操作を必要とせず、デフォルトでVoLTEを有効化できた。SoftBank本家(iPhone用SIM)、ドコモ系MVNO、povo2.0で確認済み。
ただし、「realme GT」のように、アップデートによって塞がれる可能性がある。
VODは高画質再生不可
DRM Infoによると、Widevineのセキュリティレベルは「L3」。
「Amazonプライム・ビデオ」や「Netflix」でのHD再生はできない。実際にプライムビデオアプリで確認したところ、SD画質となった。「realme GT 2 Pro」はQHD+のフラットディスプレイで、メディア視聴体験が期待できるだけに、残念だ。
ちなみに、YouTubeやAbemaTVでは問題なく1080p以上で視聴できる。
数時間使った感想
- 独特な紙風デザイン
- SoC・メモリ・ストレージの基本性能は非常に高い
- 発熱マネジメントも良好
- 魚眼と顕微鏡カメラが面白い
- 日本のプラチナバンド&VoLTE対応
- 測定値ほど軽く感じない
- 背面は汚れやすいかも?
総評としては「最強ではないが、必要十分を詰め込んだハイエンド端末」だと感じた。
とはいえ、結論を出すには時期尚早だ。中長期における使用感や、realme UI 3.0の使い勝手については、今後のレビューにてお伝えしたい。
「realme GT 2 Pro」 の購入先
「realme GT 2 Pro」は京東の他、AliExpressで販売されている(公式ストアではない)。
記事執筆時点での価格は78,000円前後だ。
まとめ
「realme GT 2 Pro」は、realme渾身の2022年新世代フラッグシップスマホだ。高いスペックと面白いカメラを備え、価格は7万円台~。魚眼レンズと顕微鏡を搭載している、という点だけでも、買う理由としては十分だと言える。
価格競争力も十分に高く、日本を含めたグローバル展開に期待したい。
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